「2018年12月のひふみプラスの運用状況と今後の運用方針のまとめ」
この記事ではひふみアカデミーに基づくひふみプラスの運用方針の解説を行います。
2018年12月はひふみプラスが多く保有している日本の小型株が、東証再編検討問題等で値下がりした事などにより-13.45%という史上最大の下げとなりました。しかし運用部としては経済は堅調であるため、むしろ買い増しのチャンスととらえ、5G関連企業を中心に買い増ししています。
※記事のデータは2019年1月14日時点のものです。
0.ひふみプラスとは
ひふみプラスは「ためて、ふやして、進化する。」がキャッチコピーの、主に日本の成長企業を投資している今一番人気のアクティブファンドです。
1.ひふみアカデミーとは
顔が見える運用を特徴として挙げているひふみプラスの運用責任者が、運用状況について報告するセミナーです。毎月開催されており、動画はYouTubeに投稿されています。
2.ひふみアカデミーの内容要約
以下ひふみアカデミーの内容の要約です。
(1)2018年12月の振返り
①基準価額の推移
1)2018年12月の-13.45%はひふみプラスにとって史上最大の下げとなった。
②相場の概況
1)国内外、業種関係なく全面安となった。
2)機関投資家が持っていない銘柄(運送、ガス、食料)はあまり下がらず、機関投資家が持っている銘柄が大きく下がった。
3)下落相場で下がりにくい医薬品、電気の銘柄が大きく下がったのが12月の特徴である。
4)ひふみプラスが多く保有している日本の小型株は東証再編検討問題で売りが多くなり、値下がりした。
5)2018年後半の株価下落に明確な原因はなかったが、諸問題が重なって売りにつながったと考えられる。(米中貿易戦争、米FRBの利上げ、日銀の金融緩和縮小への懸念、日本消費増税への懸念、トランプ政権の問題、英EU離脱等)
③運用部の所感及び対応
1)ひふみプラスは下落相場の際は基準価額も下がる商品である。しかしその後の上昇局面では大きく上がる商品でもある。
2)12月はパニック売りが広がった考えているが、同調してパニック売りをすると儲けのチャンスを逃す。上げ相場でも下げ相場でも変わらない運用をすることが大切。経済は堅調であるため、むしろ買い増しのチャンスととらえ、安定した経営かつ自信のある企業を買い増しした。
3)買い増しした企業は5G関連企業の協和エクシオ、光通信、九電工である。これらの企業は米中貿易戦争等の要因が生じても経営に影響はないと考えている。
※5G:第5世代移動通信システム
(2)トピック:金利と株価
①株価とは
1)株価=PER(株価収益倍率)×EPS(一株利益)
2)PER=株価(投資元本)/EPS
3)EPS(≒利益の変動)はそうそう変化しないため、2)式よりPERは投資家が強気(期待がある)の時上昇し、投資家が弱気(期待がない)の時下落する。
4)日本全体の企業収益(EPS)は2012年~2018年の間上昇傾向であった。また企業収益は各企業の努力で改善可能であるため、運用部で良い収益をあげる企業を発掘していきたい。
②金利と株価の関係
1)金利=利息/元本
2)金利が上昇すると、以下のメカニズムで株価が下落する。
投資家のローン支払いが重荷となる⇒投資意欲低下⇒PER低下⇒株価下落。
3)「金利を上げる」という言葉と「金利が上がる」という言葉は意味が全く違う。
「金利を上げる」:景気を健全にする目的(アメリカが現在実施)⇒良い状態。
「金利が上がる」:元本が下がることが懸念されている(トルコなど)⇒悪い状態。
③リーマンショック時の状況
1)アメリカではリーマンショック前にも利上げが行われており、今回の利上げで同じシナリオになることを投資家が恐れている。
2)リーマンショック時との違いは株価利回りと金利に大きな差がある事であり、悲観的になる必要はないのではないか。
3.感想
(1)運用部の運用方針を理解できた。
私は下落相場はしばらく続くのではないかと考えていましたが、ひふみプラスの運用部は下げを悲観しておらず、買い増しのチャンスと考えていることはとても印象に残りました。個人投資家(初心者)の考えとは次元が違いますね。
(2)5G関連企業に注目
買い増しした企業は5G関連企業(協和エクシオ、光通信、九電工)が多く、運用部も注目していることがうかがえます。個人投資家としても要注目ですね。
投資は自己判断で行いましょう。
ご覧いただきありがとうございました。