「2019年2月のひふみプラスの運用状況と今後の運用方針のまとめ」
この記事ではひふみアカデミーに基づくひふみプラス(ひふみ投信)の運用方針の解説を行います。
2019年2月はひふみプラスの基準価額は4.8%増加し、対象指数であるTOPIX(配当込み)を上回る成績でした。運用部は市場全体が割安な状態は脱したと判断したことから、確実な利益を生み出す企業に投資する方針を示していました。
※記事のデータは2019年3月11日時点のものです。
0.ひふみプラスとは
ひふみプラスは「ためて、ふやして、進化する。」がキャッチコピーの、主に日本の成長企業を投資している今一番人気のアクティブファンドです。
1.ひふみアカデミーとは
顔が見える運用を特徴として挙げているひふみプラスの運用責任者が、運用状況について報告するセミナーです。毎月開催されており、動画はYouTubeに投稿されています。
2.ひふみアカデミーの内容要約
以下ひふみアカデミーの内容の要約です。
(1)2019年2月の振返り
①基準価額の推移
2019年2月は4.8%の増加であり、対象指数であるTOPIX(配当込み)を上回る成績だった。
②相場の概況
コメントは特にありませんでした。
③運用部の所感及び対応
1)月で見ると第3四半期決算が発表される2月はひふみが強い月である。
2)ひふみは市場の回復期に大きく上げる傾向がある。
3)3月に入って株価が下がっているのは日本が景気後退期に入ったからだと考えている。株価は先取りして値を上げたり、下げたりしているのでその影響が出ているのではないかと考える。
4) 1月、2月はひふみの企業分析がうまくはまり成績が良かった。セクター全体では成長していないが、その中でも成長している企業はあるのでそういう企業を調べて投資している。
5)各企業の決算と株価の上下が一致しない時は、買い増しや売却の判断をする必要がある。決算以外の要因があるかどうかを調べて、アナリスト同士でコメントを出し合い売買の判断を行う。TOPIXを上回るには決断をしなければならないが、基本的に市場は8割ほど正しいため、その流れに逆らうのは大きな勇気がいる。
6)保有銘柄としてはオーリーズ(OLLI)の割合が増やした。オーリーズはアメリカ版のドン・キホーテのような会社で東海岸を中心に活動している。ディスカウント業であり、破綻した企業からモノを仕入れている。今はアマゾンに成長により多くの流通業が倒産していることから急成長中である。消費は現在2極化しており、その中でも中流~下流層に人気がある。今後マーケットの大きい西海岸に進出することでさらなる成長が見込める。
7)4月以降は最終決算及び来年度ガイダンスが多くの企業で行われるため、動向を注視したい。
8)ひふみ投信は237社を組み合わせたポートフォリオである。もちろん各社調べたうえで投資しているが、全体のバランス感覚が重要である。1社の成績で一喜一憂せずに全体の方向性についてチェックしてもらえるとありがたい。
(2)トピック:株価を上下させる2つの要素
①株価=PER(株価収益倍率)×EPS(一株利益)
1)利益を出している企業は株価も上昇する。
2)日本株はアメリカ株と比べて年末からの戻りが遅い。EPSは年末から3月にかけて日本株は下がり続けているが、アメリカ株は上昇に転じた。
3)PERが過度に安かった時期は終了した。そのため今後の株価の上昇はEPS(利益)の上昇がカギとなる。
3.感想
(1)2019年3月以降の上昇はあまり見込めない!?
アカデミーが行われた3月7日はその直前に景気後退期に入ったとされるニュースが出ており、3月以降の市場はあまり成長が見込めないという発言もありました。また、4月以降は多くの企業で決算、来年度ガイダンスの開催が予定されており、今後の情勢もまだよくわからない状況です。その中での運用部の行動に注目が集まります。
(2)オーリーズ(OLLI)への投資を開始
保有銘柄としてはGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)の比率を下げ、オーリーズ(OLLI)の割合を上げています。私も初めて聞いた企業でしたが、アメリカ版ドン・キホーテとして以下の点が特徴のようです。今後注目していきたいと思いました。
①Amazonの発展に伴い破綻した流通業から仕入れを行っており、成長している。
②東海岸を中心に活動しているが、今後マーケットの大きい西海岸への進出が想定され、さらなる成長が見込める。
投資は自己判断で行いましょう。
ご覧いただきありがとうございました。